<内側から見た自閉症>

〜ルーク・ジャクソン〜

『青年期のアスペルガー症候群』

〜「四つん這い」〜

  ベンはいま、特別学校(スペシャルスクール)に通ってる。いまのところ、この

 学校はすごく合ってるみたいだよ。だって、学校で服をぬいじゃったりはしてない

 ようだし、よほどのとき以外は、脚で歩いてる(ベンは不安になると、四つ足で這

 って移動するんだ)。ってことは、いまの学校じゃ、けっこう自信を持ってすごせ

 てるはずなんだ。

         ○

 学校で、パニックになると服を脱ぐ子は、何人か見たことがあるので驚かなかったのだが、以

前、人から聞いた自閉症の人の話で、「突然、四つん這いになるんですよ」というのを聞いた

ことがあった。

 自閉症には、変わった人がいるなあ、と思った記憶があるが、この記述を読んで、ああ、あれ

もやっぱり、他にも同じ行動をとる人はいるんだなと思った。

 ルーク・ジャクソンは、自閉症だから、弟のベンの気持ちがわかるのだろう。

 「四つん這い」も、「不安」のひとつ表現なんだ、と語られている。これはその通りでは

ないかという気がする。僕が人から聞いたその人も、外側からは何が不安なのかわからないにし

ても、その人の内面では、「不安」になることがあったのだろう。

 (この項、了)

 (この項、了)

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