〜個性としての自閉症〜

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　「自分がアスペルガー症候群や自閉症であることを知ったとき、どんなふうに感じ

　た？」

　　私は何人もの人に、よくこう問いかけます。

　　みんなの返事は一様ではありません。

　　ある人は、とても悲しかった、と。

　　またある人は、いつも「なぜ自分は他の人と違っているのだろう」と感じてきた

　から、知ったことでかえって救われたと言っています。

　　またある人は、自閉症と聞いたときには、これでよかったんだと思うと同時に、

　嫌な気持ちもした、と。

　　あるアスペルガー症候群の人が言うのには、「ぼくがまだ若かったころ、“ぼく

　は障害者なの？”とたずねたことがあるんだ。そのときには“あなたはそうじゃな

　いわ��と答えられたから、本当のことを知ったときには『だまされていたんだ』と

　感じたものだよ。でも何にせよ、キチンと知ることのほうが、うんとましだと思っ

　たけれどね」。

　　私は幼かったころ、自分が自閉症であるとは知りませんでした。

　　私はいつも自分は「変なやつ」か、さもなければ「愚かな人間」に違いないと感

　じていたものです。

　　そして、私はみんなと同じようになれるよう、本当に一生懸命だったのです。

　　もし、あなたが自閉症かアスペルガー症候群だと言われたとき、かつての私のよ

　うに感じたとするなら、あなたは「他の人が私のことを《変なやつ》扱いしても仕

　方がない」と考えてしまうかもしれませんね。そんなあなたはとても悲しく、診断

　についての一切を拒絶してしまいたいと感じるでしょうね。

　　このように考えているとするならば、それは本当に残念なことです。自閉症やア

　スペルガー症候群だということは、あなたが「変なやつ」だということではありま

　せん。

　　ただ「他の人と違っている」ということに過ぎないのです。

　　そして同時に、他の人が正しく、間違っているのがあなただということでもない

　のです。　

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　　自閉症、アスペルガー症候群のみなさんへ。

　　どうぞあなた自身に誇りをもってください。

　　あなたは『ありのままのあなたとして生きていく』権利をもっています。

　　そして、世の中の人々も「ありのままのあなた」を尊重すべきなのです。

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　　アスペルガー症候群の人を知っているみなさんへ。

　　もしあなたのまわりにアスペルガー症候群の人がいたとしたら、彼や彼女の障害

　そのものを尊重してください。そしてどうか、彼らをあなたがたのように変えよう！

　なんて考えないでくださいね。

　　自分たちとは違っている人たちと知り合うということ、それは実にすてきなこと

　ではありませんか。

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　　そして、すべての人に。

　　みんなと違うということは、まさにみんなと似ているということと同じぐらいす

　ばらしいことなのです。

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　グニラ・ガーランドの『あなた自身のいのちを生きて』は、小さなパンフレットのような本

だ。その内容は、とてもわかりやすくて、とてもいいものだ。

　自閉症者本人（グニラ･ガーランド）から、自閉症者への＜メッセージ＞として読むことも可

能だと思った。

　『ずっと「普通」になりたかった』を読むかぎり、グニラ・ガーランドは、小さい頃から、

相当の苦労をして、この認識までたどり着いたのだと思う。それはとても大変な道のりだった

ことだろうなあ、と僕は感心する。

　グニラ。ガーランドの認識は、とても深いものだ。

　「定型発達」の人たちでも、ここまでの認識に達している人は、とても少ないと思う。「彼

らをあなたがたのように変えよう！」としている人が多いと思う。

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　＜障害＞が、憐れみや同情としてではなく、＜個性＞に転化する時が来たら、その時、人間

は、確実に、もっと＜深く＞、自己を遡ることができるようになっていると思う。