〜クロスステッチ〜

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　　ほかにも楽しいのは、クロスステッチ。ぼくはクロスステッチをするのが大好き。

　パターン通りにできるし、自由にやることもできて、美しい図案が作れる。ずいぶ

　ん小さなときから、ぼくはクロスステッチが得意だった。クロスステッチでは、か

　わいいしおりも作れるし、額に入れて壁に飾っておける作品もできる。

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　僕は、飛び上がるくらいに驚いた。

　自閉症の子で、クロスステッチが大好きな生徒がいたからだ。

　休み時間でも、いなくなったと思ったら、作業室に行ってやっていた。

　僕は、自閉症なので、たまたま、細かな作業（「過剰特異性」）が好きで、ハマッたのか

な、と漠然と考えていたのだが、ケネス・ホールも好きだとは思わなかった。

　そうやって考えてみると、確かに、クロスステッチというのは、ひとつずつは、とても単純

なパターンになっていて、その単純な作業の、延々とした積み重ねなのだ。

　それを無限に繰り返しさえすれば、いろんなパターンの図案ができるというのは、自閉症タ

イプの子にとっては、とても魅力的なものに違いない。