<内側から見た自閉症>

〜月文 瞭〜

『自閉症者からの紹介状』

〜音を聞く〜

           ○

 MDコンポ等に聞きたいCDをかけ、

 少しだけ音を落として

 ラジオ、ラジカセ両方からも別の音を出し、

 3つの音を一度に聞いてみて下さい。

 少し大げさですが、私が雑音の多い場所に行ったときの聞きたい音

 のみを聞き取れない、不必要な音を下げられない感じに似てきます。

 聞こえてはいても、聞こえてこないのです。

 10分でもいい、その状態で音楽を聞き続けられますか?

 それが日常です。

           ○

 人ごみの中で、「聞きたい音」と「聞きたくない音」の区別が難しいことの記述。

 自閉症の子でよく耳を塞ぐ子がいる。

 人が多いところが苦手なので、サングラスをかけたり、耳栓をすると落ち着く子もいる。ち

ょうじこんな感じで聞こえているのかもしれない。

 『自閉症者からの紹介状』は、面白い絵本だ。月文瞭さんという人は、高機能自閉症かア

スペルガーで、共感覚者らしい。左のページに言葉で説明をしながら、右のページに絵を描い

て説明している。いい絵本だ。こういう様々な形で、自閉症者の内側からの表現が出てくるこ

とは、とてもいいことだと思う。

 月文さんは、共感覚者なので、人間にも色彩がついて見えるらしいし、言葉や数字にも色が

ついて見えている。面白いことに、習得していない言語は、色がついては見えないらしい。と

いうことは、色がついて見えるのは、何らかの後天的なものであるのかもしれない。

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