教授になって会社の社長をしている娘のテンプルのことを、「娘は今でもバリバリ の自閉症です。しかし、彼女の人生は好きなことで満たされている。そのことを誇 りに思っている」とおっしゃっていました。 自分を好きになって得意なことに自信を持ち、すべての人間がそうするように苦 手なことは少し努力して、心安らかに満たされた人生を送る、そして、ついでに自 分は自閉症も持っている、そんな自閉症の大人が増えてほしいです。そう強く願っ ています。 〇 テンプル・グランディンの母親の話は、初めて聞いた。この本以外で読んだことがないので、 貴重な情報だと思えるので、書き留めておく。 テンプル・グランディンは、どこかの本で母親の育て方に、感謝していた。 確かに、そうだろう。当時は、自閉症の情報などあまりなかっただろうし、小さい頃は、テン プル・グランディンは重度の自閉症で、医者から「この子は一生施設で過ごすだろう」というよ うなことを言われていたらしいから、母親の苦労は察してあまりある。 母親の言う通りで、「娘は今でもバリバリの自閉症です。しかし、彼女の人生は好きなこ とで満たされている。そのことを誇りに思っている」と言うのは、その通りだと思います。 自分の人生が好きなことで満たされていること。そのことに誇り（自己肯定感）を持っている こと、ができれば、いい人生なのではないだろうか。定型発達でも、こういう人生観を持ってい る人が、どれだけいるだろうか。 「自分を好きになって得意なことに自信を持ち、すべての人間がそうするように苦手な ことは少し努力して、心安らかに満たされた人生を送る、そして、ついでに自分は自閉症 も持っている、そんな自閉症の大人が増えてほしいです。」（服巻智子） 僕も賛成だ。定型発達者も、こういう人生観の中で生きることができる社会の方がいいと思 う。「数値」「成果」「エビデンス」で人間を測ることはできない。 （この項、了） |