「二重化しゆくアイドル」についての註

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　この文章は、僕のもっとも愛着の深い文章のひとつです。

　京都の大学を卒業した後、下関の中学校で非常勤講師をしながら、仕事

もなく、失業していた時期に書いたものです。別に、誰に見せるアテがあ

るわけではありませんでしたから、それを、書きっぱなしで放っておいた

のですが、「どうせなら」と思い、吉本隆明さんに送りました。その時に

は、特に深い意味はありませんでした。

　ところが、数ヶ月後に送られてきた吉本さん主宰の雑誌「試行」に、こ

の文章が掲載されていたのです！

　もう、飛び上がるくらいビックリしました。

　僕の文章を吉本隆明さんが取り上げてくれる、などとは、夢にも思って

いなかったからです。

　それから、しばらくは、枕もとに「試行」を置いて、幸せに眠ることが

できました（笑）。そういう意味で、特別な思い入れのある文章です。

　注記しておくと、アップロードに際して、手は一切加えておりません。

発表当時のままです。ただし、歌謡曲の歌詞に関しては、掲載は自重して

おりますので、みなさんで、心の中で歌ってください（笑）。

　また、文章の性格上、期日をハッキリさせておきたいと思います。この

文章は、１９８６年１１月発行の「試行」６６号に掲載されたものです。

　この文章をアップロードすることができて、僕としては、とてもとても

感慨が深いです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０００，３，２４

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松本　孝幸