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　…犬の友だちは数が多い。大型のマスチフ犬、かわいい目をしたスパニエル、木の

　ようにじっと動かなくなるセッター犬、そして正直だが不格好なブルテリア。現在、

　最も愛情を注いでいるのは、一匹のブルテリアだ。血統は由緒正しいが、しっぽは

　曲がり、犬族の中で一番ひょうきんな顔つきをしている。犬たちは皆、私の障害が

　わかるようで、ひとりの時は、いつもそばに寄り添ってくれる。犬の愛情溢れるし

　ぐさと、雄弁にしっぽを振る動作が私は大好きだ。

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　ヘレン・ケラーは、たぶん、とても正直に言っているのだが、読んでいる人には、「犬好き

の人の記述」としか読まれてこなかったに違いない。

　でも、そうではない可能性もあるのではないだろうか。

　『名医ジャンティン』という本によれば、ドッグセラピーの犬は、自分の本能で、老人を見

て「自分を必要としているか」どうかを判断し、そういう人には、自分から付き添う、という

ことをするらしい。また、患者さんの病気の悪いところもわかり、その箇所をなめてやったり

するらしい。

　今となっては、知る由もないが、ヘレン・ケラーの周りの犬たちも、ヘレン・ケラーの障害

がわかり、そばに寄り添っていたと言えなくはないと思う。

　（この項、了）