〜教科学習よりも心の健康〜

　　　　　
　　私は思春期よりも前というのは，もっと自然体で子育てをすべきだということを

　強調しています。

　　その子が，すぐに伸びそうなことは積極的に手伝えばいいのですが，伸びるのに

　時間がかかりそうなことはやめておく。そして何よりも大事なのは，本人の意欲を

　減らさないことです。

　　一番重要なのは，教科学習よりも心の健康です。何よりも自信と現実感の得られ

　る生活環境をつくっていくこと。そして，合意の習慣通じた自立と社会性の育成と

　いうことが重要です。

　　そのために育児方針としては，保護的に構造化された環境を提供すること。得意

　なことを十分に保障すること。不得意なことに苦手意識を持たせないこと。大人に

　相談してうまくいったという経験を持たせること。こうしたことが重要だと考えま

　す。

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　なるほど、と感心させられた。僕も、同感だ。

　本田秀夫は、「思春期よりも前の時期」について言っているわけだが、僕は、思春期よりも

後の時期でも、十分に通用する内容だと思う。

　◎本人の意欲を減らさないことです。

　◎一番重要なのは，教科学習よりも心の健康です。

　思わず、唸らされた。

　教師になって三十年が過ぎ、今年で定年になったが、ずっと、教科学習をやったことにな

る。

　でも結局、実感していることは、

　＜教科学習よりも心の健康＞

　ということになる気がする。

　そう思える生徒が増えてきているように感じる。

（この項、了）