〜こもたろの「見えるものは、ある」〜

※四コママンガ

　自閉っ子の原則に「見えないものは、ない」があるが、これは、その逆のパターンだ。

　「見えるものは、ある」。

　こもたろが、シルエットクイズを出すのだが、頭の中で、シルエットをイメージするだけ

だ。

　それだけで、母親にはそのシルエットが見える、と思っている。

　自分が見えているのだから、当然、お母さんは見えているだろう、と考えている。

　自分が見えているものは、みんなにも見えていると考えてしまう。

　かつて、よく外に出て、行方不明になる自閉の子がいた。

　みんなで探すのだが、本人は、見つかっても、ケロッとしている。

　「反省」することもなく、自分がいなくなって、周囲の人が心配しているだろう、とは考え

ていない。

　だって、自分は、「自分がここにいる」ことは、自明のことで、わかっているのだから。

　どうしてみんんが心配するのか、わからない。

　知的に低いから、ではない。

　「人が自分がいないことを心配している」、という思考にならないからだ。

　だって、自分は、今ここにいるのだから。

（この項、了）