続・詩の練習(3月篇)


    雨の日の畑

かさをさして

畑の中を歩く

雨の日の畑は悪くない

大根の葉っぱも

にんじんの葉っぱも

真っ赤なとうがらしも

濡れて光っているし

しとしと

しとしと

雨の音も気持ちいい

僕は耳を澄ましている

葉っぱの裏側で

ショウリョウバッタ

トノサマバッタ

てんとう虫

だんご虫

みんな息をひそめて

雨がやむのを待っている

晴れた秋の日には

収穫の終わった畑で

虫と植物たちの祝祭がはじまる

虫たちが祝詞をあげる

 <時間が世界をせまくした>

 <知識が世界を窮屈にした>

僕は耳を澄ましている


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