「内臓感覚」ノート


130・「赤ちゃんは待てる」


  その他、「赤ちゃんは待てる」という報告も多くあった。これは、生後数か月の

 赤ちゃんがおしっこ・うんちをしたそうにしている際に、お母さんが「ちょっと待

 っていてね」と声をかけて、おまるをとりに行っている間、トイレへ連れて行くま

 での間、あるいはおむつを外している間、赤ちゃんはある程度の時間、待っていて

 くれるということである。

         ○

  「息子とのコミュニケーションが密に取れていることを実感しています。生まれ

 たばかりの赤ちゃんでもコミュニケーションを取ろうとしているので、すごいです。

 赤ちゃんは皆天才です!! それを見過ごしている大人はもったいない。二か月の

 頃、私が台所に立って息子の姿が見えないときに、『おしっこしたくなったら叫ん

 で教えてね』と頼んだら、その通りにして教えてくれました。今でも朝おっぱいを

 あげてトイレでおしっこをさせ、二〇〜三〇分後にはうんちが来るとわかっていて

 も私が寝てしまっている時など、息子が蹴飛ばして起こしてくれます。」という母

 子もいる。

(『赤ちゃんにおむつはいらない』 三砂ちづる編著)

         ○

 赤ちゃんと母親とのコミュニケーションについての、これらの記述は、たぶん昔の僕だった

ら、「偶然の一致」あるいは「美しい誤解」くらいに思っていたのではないだろうか。

 だが、現在の僕は、こういうことはありえるのではないだろうか、と思っている。

 コミュニケーションとしての言葉、ではなく、母親と胎児の段階の<内コミュニケーション

>自体の延長であり、「内臓感覚」の延長で、直観的に察知するコミュニケーションの名残

が、存在しているということなのではないだろうか。

 (この項、了)

もどる