「動物と感情」について

208・「行動主義」とコミュニケーション

  ロブ・シュメーカーは、オペラント条件づけが好結果をもたらすことには同意す

 るが、多くの行動主義者が動物とトレーナーのあいだにおこっていることの肝心な

 点を見誤っていると主張する。行動主義者は、自分たちが動物に条件づけていると

 信じているが、彼らが実際におこなっているのはコミュニケーションである。「ク

 リッカーや目標は動物の注意を会話に集中させておく手段なのですが、ほんとうに

 重要なのはコミュニケーションなのです」。

(『動物たちの不思議な事件簿』 ユージン・リンデン)

         〇

 そう言っていただけると、僕も、まったく賛同する。

 行動主義者は、「オペラント条件づけ」を主張する。

 僕の記憶が正しければ(『動物感覚』)、スキナーは、テンプル・グランディンに対して、

「オペラント条件づけ」があるから、動物の内面を考える必要はないんだ、と言ったそう

だ。

 河合隼雄は、行動療法の考えには、<関係性>が欠けている、と言っているが、ここでの場

合、<関係性>とは、コミュニケーションが対応していると言っていい。 

(この項、了)

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