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　　　胎内の子は

　　　母親の太鼓が

　　　規則正しく打ち続けるのを聴いている。

　　　昔ながらのやりかたでは

　　　出産の場に太鼓を持ち込む。

　　　そして母親の心臓の鼓動と同じ

　　　規則正しいリズムを打つ、

　　　赤ん坊に知らせてやるのだ。

　　　子宮の外も

　　　中と同じように安全だと。

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　インディアンは、母親の「胎内にいる子」にも、すでに「外の音」が聞こえていると考えて

いる。また、外界から聞こえる太鼓の音を、母親の胎内の心音と同じものだと見なして、安心

すると考えられている、ということは、「胎内の子」はすでに「精神生活」をしていると見な

されていたと捉えることができるだろう。

　現代で言えば、胎児が胎内で夢を見たり、母親の心音を聴くことができ、母親の精神状態に

応じて、胎児が反応している、ということが科学的にわかったのは、ここ数十年だと言える。

　これは、科学的に言えば、「迷信」がたまたま当たっていた、ということになるのかもしれ

ないが、それよりも、ずっと以前から、人間は「胎児は考えている」ことを、経験的直感的に

は「知っていた」と考えた方が妥当だと思う。

　もちろん、母親は、直接的に、自己の内臓感覚として感じていたことだろう。

（この項、了）