441・オクサプミン族の計数



 


　　　　　　　　　　

　　（注）ニューギニアのオクサプミン族は，上半身のさまざまな部位を用いる計数シ

　　　　ステムを使用している。彼らは，片手の親指から数え始め，腕、頭を回って，

　　　　もう片方の手の小指まで，上半身の27箇所の部位を用いて数を示す。たとえば，

　　　　「14」という数を表すには，14番目の部位である鼻を指し「ａrｕｍａ」（鼻）

　　　　と言う。

（『発達心理学』　　藤村宣之編著）


　　　　　　　　　〇

　ニューギニアのオクサプミン族にとっての、「数」は、抽象的な概念ではない。

　身体の部位と結びついた実感を伴った概念になっている。

　もちろん、ここから離脱しなければ、西洋的な数の概念には到達できないだろう。

　だが、「感覚で考える段階」の「数」としては、とても興味深い。

（この項、了）