上の写真は、土器だが、イノシシの頭がついているものであり、下の写真は、女性が描かれて

いる。乳房と女性器が描かれた見事なものだ。

　これらは、現代からは、斬新なデザインだと見えるが、縄文時代人にとっては、「普通」の

デザインであったに違いない。言い換えれば、土器を作ろうとすれば、女性器やイノシシを混

在させた土器を作っていた。それが普通であった、ということだ。

　土器は、中が「中空」であり、イノシシも世界の一環であり、未知の空間につながっている。

　女性の土器も、同じだ。女性の身体も「中空」であり、未知の空間につながっていると信じら

れていた。そこを通って、胎児が生まれてくると信じられていた。

　僕たちには、思いもつかない、動物・土器・女性・宇宙が混在化された、見事なデザインにな

っている。

（この項、了）